井の頭公園バラバラ殺人事件 -1-

 

【井の頭恩賜公園】

通称:井の頭公園

東京都―、
JR「吉祥寺」駅から歩いてすぐの緑豊かな都内のオアシス。
散歩やジョギング、お洒落なカフェでのランチ、パフォーマーたちの聖地ともいえる都民の憩いの場所。

暖かく晴れた日には—、
カップルや親子連れが園内の池をボートで漂いながら、愛を語ったり、無邪気な声を響かせます。

 

“ボートにカップルで乗ると別れる”

また古くから、そんなジンクスのあるデートスポットとして有名です。しかしそれだけではない、数々の不気味な噂の絶えない曰くある場所なのです。
それもすべて、『井の頭公園バラバラ殺人事件』のおかげでしょう―。

 

【おことわり】
本事件のような謎多き事件では、往々にして闇の組織の存在や陰謀説などが付いてまわります。
そしてこうした未解決事件に言及する記事においては、”読者を掴んで離すまい”とこれらに無理やり結び付けたり、「誇張」や「脚色」といったスパイスを加えて演出する傾向が強くみられます。
しかし本記事はあくまで”無添加”にこだわっており、その上で事件に関する情報を冷静に「分別」、「精査」、「分析」、「解説」―、そして『真相*』を導き出します。

これをご理解していただき、本記事筆者 オラクルベリー・ズボンスキがお届けするリアルをどうぞお楽しみください。

※ここでの「真相」とは、筆者の考察を指します

 

『井の頭公園バラバラ殺人事件』の概要

1994年(平成6年)4月23日に発覚したバラバラ殺人事件。

事件の舞台は東京都三鷹市・武蔵野市にある「井の頭公園」。その園内に設置されていたゴミ箱から人間の足が発見された。
ゴミ箱内の足はポリ袋に入れられていたが、清掃員の女性が偶然これを開けたことで事件が発覚。

その後―、
通報を受けて駆けつけた警察が園内一帯を捜索したところ、ほかにも切断された手足や胴体の一部が相次いで発見された。いずれもやはりポリ袋に入れられており、こうしたバラバラ遺体は計7か所のゴミ箱内に遺棄されていた。見つかったバラバラ遺体のパーツは計27個にも上る。

本事件においては怨恨説や嗜虐性を持った犯人による快楽殺人説、そして当時活発に活動していたオウム真理教の関与というように、さまざまな憶測が飛びかった。

 

事件の舞台「井の頭公園」

公園のシンボルともいえる「井の頭池」の噴水

 井の頭恩賜公園 (いのかしら おんしこうえん)

東京都の三鷹市と武蔵野市にまたがる都立公園。1917年(大正6年)5月1日に開園した。
都民には「井の頭公園」と呼ばれ親しまれている。

井の頭公園は四季の移ろいを五感で感じられる素晴らしいスポット。

は井の頭池を縁取る(ふちどる)ソメイヨシノが咲き乱れ―、
は園を覆う鮮やかな緑と木立の中の清々しい空気―、
は色彩豊かに色づいた多種多様な木々の紅葉、折り重なる落ち葉の絨毯―、
は渡り鳥たちが飛来し、井の頭池で賑やかに冬を越す―。

園内には「三鷹の森ジブリ美術館」があるほか、公園周辺にはオシャレな雑貨店やカフェなどが軒を連ねる。
尚、井の頭公園は「日本さくら名所100選」に選定されており、いわずと知れた都内の桜の名所でもある。

休日にはたくさんの人が訪れる。また桜の開花時期ともなると、多くの来園客で賑わう。

井の頭公園が位置する武蔵野市―、
同市の吉祥寺(きちじょうじ)エリアは首都圏の「住みたい街ランキング」の上位常連であり、10年連続1位だったこともある。
とりわけ若者に人気があり、地方から上京してきた若者たちがこぞって住みたがるのが、井の頭公園のある吉祥寺(武蔵野市)である。

 

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遺体発見時の様子

【所感】
井の頭公園内でバラバラ遺体が見つかったのが、1994年4月23日の午前11時頃。
時間帯もさることながら、この日は土曜日ということもあり、遺体発見時には園内に多くの人がいたと推察できる。


園内には多くのゴミ箱が設置されていたが、最初の遺体(足)が発見されたのは、池のほとりに設置されていたゴミ箱であった。

遺体の第一発見者とされているのが、公園の女性清掃員Tさん(当時59歳)。
この日は同僚の清掃員らと10人程度で園内各所のゴミ箱内のゴミを回収、分別作業を行っていた。

このTさんにはひとつの習慣があり、回収したゴミの中から食べ残しなどを見つけては、それを園内の野良猫やカラスに与えていた。
これを知っていた同僚の男性従業員が、分別作業の際に肉片のようなものが入ったポリ袋を見つけ、これをTさんのために選り分けていた。
(ポリ袋に入った肉片らしきものはピンク色であり、この男性はこれを食用肉だと思っていた)

同僚男性が選り分けてくれた「ポリ袋入りの肉のようなもの」―、
これをみたTさんは当初、スーパーなどで売られている魚の切り身でも入っているのかと思っていた。となれば、これは野良猫の餌としておあつらえ向きであった。
猫やカラスの餌にとTさんはこのポリ袋を開けようとするが、結び目があまりに固くて開けることができなかった。そこで同僚が近くに落ちていた竹串でポリ袋を破る。すると人間の足が姿をのぞかせ、その場は騒然となった。
(足は白く綺麗で、みる者に”女性のもの”という印象を与えたという)

Tさんらは園内で売店を営む夫婦に事態を報告し、売店の夫婦らも遺体を確認。そして売店の主人が警察に通報した。

通報を受けた三鷹警察署と警視庁捜査一課が直ちに捜査員を派遣。そして現場に駆けつけた捜査員によって、捨てられていたのは人間の左足であることが確認された。
そして事件は殺人、死体損壊・遺棄事件として捜査がはじめられることになる―。

その後の捜査により、池の周囲にある7台のゴミ箱から次々と不審なポリ袋が24袋確認された。
結果として見つかったバラバラ遺体の合計は27個。しかしこれらは人体の両手足と胴体の一部(右胸)のみであり、見つかったパーツすべてを合わせても身体全体の3割程度、重さは20kgほどにしかならなかった。

池の周囲約1.6kmの遊歩道にはベンチがたくさんある。
事件当時はゴミ箱が各所に設置されていた。


パート2】からは事件を詳しく解説―。