ピル治験女性バラバラ殺人事件 -2-

これは「ピル治験女性バラバラ殺人事件」に関する記事の【パート2です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1】からお読みください。

ピル治験女性バラバラ殺人事件 -1-


 

コラム 【治験について】

※本記事と直接的に関係ない内容なので、興味のない方はどうか無視してください

 

筆者:ズボンスキ

筆者は20代の頃、治験に計5回以上参加しました。
最も高額な報酬であったのは2007年に参加した治験、イギリスで行われたR社のものでした。僕は和子さんのように治験ツアーで日本から現地へ赴いたのではなく、当時イギリスに住んでいましたので。

このR社の治験参加は20歳のときで、これが筆者の治験デビューとなりました。
筆者もやはり和子さんと同様、「怪しげな人体実験に参加した」などと周囲から奇異な目でみられました。それもそのはず、治験実施中は施設から一歩たりとも出ることは許されないのですから。
筆者は治験でしばらく行方をくらましていたので、それこそ周囲には死んだと思われていたようです。

ちなみに報酬ですが、2週間の拘束で日本円にして約50万円(英ポンド:当時のレートより)であったと記憶しています。
このときの募集条件は、「健康な成人日本人男性」でした。何の薬の治験であったかは忘れました。
筆者はこれまでの治験参加でさまざまな薬を服用してきましたが、その後身体に異変が起きるといったことはありませんでした。

 

高額な報酬が大変魅力的な治験ですが、正直その参加ハードルは高いです。まず30歳を過ぎると年齢制限に引っかかる可能性がぐっと高まります。
そして喫煙者にとっては、治験参加のハードルがなお一層高まります。なぜなら、治験実施中は喫煙は禁止だからです。そのため喫煙者にとってみれば、治験に参加するとなると自ずと禁煙を強いられることとなりますが、これに皆耐えられないために喫煙者たちは参加を辞退します。そもそもですが、喫煙者は実施者側に嫌われます。
ちなみに、食事にも制限があり、実施者側が用意した1日3食の食べもの以外は食べることはできません。飲み物は用意された水もしくは麦茶のみ。当然、清涼飲料水やアルコールの類はもってのほか。

ニコチン中毒者、アル中およびアル中予備軍の参加希望者―、
事前説明会でこうした参加条件を知ると、その全員がそそくさと辞退、退席していきます。
そもそも、こうした人たちは体に何らかの支障をきたしている場合が多く、よしんば参加を希望したとしても、参加者選考のために行われる事前の健康診断の結果ではねられます。
言うまでもありませんが、持病持ちの人はNGです。

ハードルといえば、治験のもうひとつのハードル。それは治験の全日程を完遂できるかということ。
例えば、筆者が参加したR社の治験を例に取ると―、
2週間の拘束で50万円の報酬。しかしこれはあくまで全日程をクリアした場合の金額です。
治験実施中には毎日検温されるのですが、ここで微熱でも出ようものならそれでアウトです。治験の対象外となり、即刻帰らされます。また投薬後、重篤な副作用が生じた場合なども同様です。そのほか、治験のルールを守れない場合も非適合者としてみなされます。
いかなる理由でも途中でドロップアウトすれば、当然のことながら報酬の満額を受け取ることはできません。
筆者はこれまでの治験参加において、途中で帰らされた参加者を何人もみてきました。
(脱落者を見越して実施者側は予め補欠要員を数名入れています)
そのため、治験は参加するのが難しい上に、”完走”するのもなかなか大変なものです。
(ちなみに筆者は、応募したすべての治験参加の選考にパスし、すべての治験を完走しています)

さて、治験に参加される方はあくまで自己責任でお願いいたします。
何があっても知りませんよ。金は命に代えられませんから。

 

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バラバラ殺人のピル治験ツアーについて

“治験”

否―、

“怪しげな人体実験”

西ドイツ(当時)のフライブルクに本社を置く臨床薬理試験(治験)の受託会社『バイオデザイン』が請け負い、実施したピル治験ツアー。これに和子さんが参加したことから、事件は端を発する—。

 

和子さんが参加した治験ツアーは、バイオデザインの日本代理店『ビオブリッジ』(東京・千代田区)が日本国内で募集したもの。
この治験ツアーにおける運営側の目的は、言わずもがな日本国内でピルを販売するための必要な臨床データの収集。ひいては、現地ドイツで行われる治験の参加者を日本から派遣することであった。

【和子さんが参加したピル治験ツアーの構造】
製薬会社「G社」(西ドイツ)
⇓ (治験代行依頼)
治験代行会社「バイオデザイン」(西ドイツ)
⇓ (斡旋)
バイオデザインの日本代理店「ビオブリッジ」(東京,日本)

 

この治験ツアーの参加者は、和子さんを含めた22歳から30歳までの日本人女性5名。
治験内容はG社が開発したピルの新薬を服用し、血中のホルモン分泌状態の検査するなどしてデータを収集するというものであった。

代理店ビオブリッジが行った事前の説明会では、治験に関する詳細な説明がなされた。そして万が一、治験によって何らかの問題が生じた際の同意書が、このとき全参加希望者によって署名捺印された。
この治験ツアーの報酬は、1日約1万円が報酬として支払われるというもの。尚、この治験の実施期間は約3か月間であり、参加者はその間ずっと拘束される。
3か月を90日と換算して単純計算すると、この治験ツアーの報酬は概ね100万円であったと推察できる。
さらに、現地への渡航費はビオブリッジ(バイオデザイン)が負担するほか、現地のドイツ語学校でドイツ語を学習する機会を得る特典もあった。


次なる【パート3】では、和子さんの足取りを辿る―。

 

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