島根女子大生死体遺棄事件 -1-

2020年8月23日 2000年以降, 国内事件, 島根, 平成, 広島, 解決済み事件

“臥龍山(がりゅうざん)の山頂近くで女性の頭部が見つかった”

龍が伏臥(ふくが)するような広大な山容と、美しい紅葉の彩り。
龍の山の頂き付近で、ひとりの登山者が遭遇した”無機質な女性の顔”。
それから山中のあちこちで遺体の一部が次々と発見される。

それはひとりの女子大生だった―。

『島根女子大生死体遺棄事件』の概要

秋の臥龍山

事件が発覚したのは2009年(平成21年)11月6日。
広島県と島根県の県境近くに位置する臥龍山(広島県北広島町)の山頂付近で、女性の頭部が発見された死体遺棄事件である―。

事件の解説

遺体発見の翌日となる11月7日―、
広島県警と島根県警は臥龍山にて合同捜査を開始。するとこの日、左大腿骨の一部が発見された。
さらに、8日には胴体。9日には左足が相次いで発見されることに。
その後警察は19日までにいくつもの肉片を見つけ、驚くことに爪まで見つけ出している。

DNA鑑定の結果、見つかった遺体は10月26日から島根県浜田市で行方不明となっていた大学1年生の平岡都さん(当時19歳)であると確認。
死亡時期は遺体発見の1週間～2週間前と推定(一説には10月26日～31日の間とも)。そのため、行方不明となった当日に死亡した可能性も示唆された。

尚、バラバラに切断された遺体、頭部の殴打痕、首を絞められた痕跡、これらの様子から都さんは殺害されたものと断定された。

【都さんが殺害された日】
都さんは行方不明となった10月26日に殺害されたと筆者は推察している(その理由は後述)。

尚、バラバラに切断された遺体の様子から、本事件は「島根女子大生バラバラ殺人事件」などと呼ばれることもある。また、都さんが行方不明となった浜田市にちなんで「浜田事件」「浜田学生遺棄事件」とも。

遺留品

遺体発見と併せて発見された遺留品はただ一つ。胴体に付着していたビニール片である。
このビニール片であるが、合同捜査本部はこれをNTTが電話帳を配布する際に使用するポリ袋の一部であると特定。その手がかりとなったのは、ビニール片の文字の印刷に使用されたインクの成分であった。
また、このインク成分から、1995年はじめに広島県の5市(三次市、安芸高田市、東広島市、三原市、呉市)に配達されたものであることが分かった。

【NTTの電話帳】
配達年や地域によって、電話帳配布時に使用するポリ袋のデザイン(文字スタイル、文字の色など)が異なることがある。