伊勢市女性記者行方不明事件 -6-

これは『伊勢市女性記者行方不明事件』に関する記事の【パート6です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1】からお読みください。

伊勢市女性記者行方不明事件 -1-

伊勢市女性記者行方不明事件 -2-

伊勢市女性記者行方不明事件 -3-

伊勢市女性記者行方不明事件 -4-

伊勢市女性記者行方不明事件 -5-


 

※これより記述するのは、本記事筆者 オラクルベリー・ズボンスキが導き出した独自の考察です。そのため、あくまで考察の域を出ないことをご理解していただいた上でお読みください。

※本編における「真相」とは、筆者の考察を指します。

 

『伊勢市女性記者行方不明事件』の真相

謎深き未解決事件である『伊勢市女性記者行方不明事件』。
その中で最も注目すべき状況証拠は、「放置された辻出さんの車」にほかならない。ここでいま一度、それを整理する。

・辻出さんは非喫煙者であったのにもかかわらず、車内にはタバコの吸殻があった (1本のみ)

・助手席のシートが倒され、フラットの状態であった

 

これらから導き出した筆者の推察は―、

 

事件当夜、Xは辻出さんの車の中にいた

よってXの「事件の夜、辻出さんを自分の車に乗せた」という供述は嘘

 

辻出さんとXはこのとき車内でセックスをした

これは「助手席のシートがフラットに倒されたままであったこと」から容易に推察できる。そしてこれを事実と裏付けるXの供述がある。(’99年1月26日から2月3日の任意の取り調べ時 / 伊勢署にて)

「名古屋の交際女性とケンカをしまして、11月19日(事件の4日前)に彼女が名古屋に戻ってしまったんです。寂しくなったんで、女遊びでもしようかと思って辻出さんに連絡しました。”夏の失礼な電話のことを謝りたい”という口実で。セックスしたいなと思ってね」

これこそ、前編(パート5)の終わりに記した筆者の推察を裏付けるXの供述である。

 

セックスはXが車に乗り込んですぐにはじまった

「非喫煙者である辻出さんの車内から吸い殻が残されていること」から、このときXが車内でタバコを吸ったことが分かる。ここで注目すべきはそれが1本だけであったということ。
喫煙者であるXが1~2時間の間にタバコを1本しか吸わなかったということはつまり、”吸う状況ではなかった”といえる。要するに、Xが辻出さんの車に乗り込んでいる間のほとんどはセックスだったということ。ちなみに、Xの証言の”1~2時間ほど一緒にいた”というのは信憑性が高い。故に、”一緒にいた1~2時間”というのは、
“セックスをしていた時間”と言い換えることができる。尚、1本のタバコは、セックスがはじまる前の会話の中でXが吸っていたもの。
これらを裏付けるXの供述がある―、

「辻出さんとは車内で話をした後、セックスをして別れました。一緒にいたのは1~2時間ぐらいで、後のことは知りません」

 

↓[ここから先は筆者の推察]↓
Xはこのセックスの中で辻出さんを絞殺。これは特殊な性癖に起因し、それがいきすぎてしまったことによる殺意なき殺人であった。
(特殊な性癖とは、「行為の最中に相手の首を絞め、苦しむ姿に性的興奮を覚える」というもの)

 

辻出さん殺害後、Xは遺体を遺棄した

辻出さんを殺してしまったXは、そのまま車内に彼女を乗せたまま走り出した。

筆者が考える殺害後のXの動き

辻出さんの遺体を遺棄するべく、彼女の車でXが向かったのは―、
まず、殺害現場から北と西方面は市街地であるため、これらの方向にXが向かったとは考えにくい。残るは東の「伊勢湾方面 (海)」、そして南の「伊勢神宮方面 (山)」のいずれか。殺害現場から海へも山へも10km圏内である。

殺害が25日の午前1時30分と仮定したとして、途中で遺体遺棄のため何らかの準備をしたとしても、夜明けまでは時間がある。
Xが遺体遺棄のために向かったのは東も南も可能性はあるが、”遺体を隠したい”という心理を考えるとやはり南ではないか。東へ行き、遺体を海へ沈めてしまえば簡単に終わる。しかしその場合、遺体が岸に流れ着くことがある。一説によると、Xはダイビングをするとも言われており、そうなればその辺の可能性は当然考えるはずである。ましてや察するところXは頭がキレる。となれば、おそらく海はないだろう。

とはいえ”往って来い”するようだが、Xが「辻出さんを海岸で降ろした」と供述したという情報もある。仮にこれが本当であれば、現場から東へ走って海へ行き、そこで遺体を遺棄したことも考えられる。万が一、後に周辺で遺体が発見されても、”海岸で彼女を降ろしただけでその後のことは知らない”と突き通せば何とかなるかもしれないからだ。しかしこの情報の信憑性が乏しい。そのため、やはり「海に遺棄」の線はこれで消えた。

消去法で残るは「山」―、
現場から南へ行けば、深い山に入る。その辺りは伊勢志摩の国立公園があるような地理条件。人がいない上、夜の闇に紛れて事を済ますには絶好の場所というだけでなく、遺棄した後は深い自然がそれを隠してくれる。
Xが遺体を遺棄したのは山で間違いないだろう。

筆者の推察する遺体遺棄のルート

殺害現場から、筆者が考える遺体遺棄の現場までは多く見積もっても片道15~20km。これは時間にして約30分と仮定。しかし途中まで「南勢バイパス」が走っているため、ここで大幅な時間の短縮が可能。そのためXがもっと短い時間で山中に入ることができた可能性は十分ある。

殺害から遺体遺棄を済ませ、また現場まで戻ってくるためには、それぞれを大幅に見積もっても―、

【25日 1時30分出発】行き40分 ⇒ 遺体遺棄 1時間 ⇒ 車内清掃 1時40分 ⇒ 帰り40分 = 計4時間【5時30分到着】

Xはどこかで車内の清掃をしているが、これは遺体の遺棄を済ませた後で行われた。これは徹底的に行わなければならないために、最も時間のかかった”工程”であった。
とはいえ夜が明けるまでには、当初辻出さんの車があった保険会社の駐車場まで戻ってくることができる。このとき11月も終わりに近い25日、朝4時や5時頃ではまだ真っ暗である。地元の人によれば、事件が起きた’98年当時の現場周辺は外灯もなく夜になると真っ暗、人気もなかったという。それ故に2人は事件当夜、保険会社駐車場の車内でセックスができたというわけでもある。
そしてまた当時は今のように、街中に防犯カメラがある時代ではない。「Nシステム」は既にある時代ではあるが、’87年の導入以降、事件の起きた’98年時点の伊勢エリアでこれがどれほど設置されていたのかは分からない。また辻出さん失踪後、県警がNシステムのデータを洗ったのかどうかも分からない。

遺体の遺棄を済ませて保険会社駐車場に戻ってきたXは、自分の車に乗り換えてその場を去った。
その裏付けとなるのが、以下に挙げる「放置された辻出さんの車の様子 」と「車に関する証言」である―、

・運転席のシートが普段より下げられていた (ハンドルとシートの間隔が広くなっていた)

・いつもかけっぱなしであったカーステレオが切られていた (普段はエンジンをかけると音楽が流れ出していた)

・辻出さんの几帳面な性格に反して、駐車ライン(白線)を無視するように斜めに駐車されていた

25日の未明、保険会社の駐車場に駐車された2台の車が目撃されている。つまりこれらは辻出さんとXの車のことであり、2人が車内で行為に及んでいる最中のことになる。
また25日の朝、辻出さんの車だけがそこに残されていることは、駐車場を所有する保険会社従業員が確認している。(そしてこの日の昼頃、伊勢署に通報)

 

以上が筆者が導き出した「伊勢市女性記者行方不明事件」の真相である。

おわりに

本事件は未解決事件であるため、勝手な憶測で”辻出さんが殺された”などと決めつけることは、ご家族の気持ちを考えれば望ましいことではない。筆者もそれは重々承知してはいるが、こうして未解決事件を伝えながら、自らも事件を深く知り推察することは、事件風化の防止に寄与すると考えている。
筆者としても、本記事で辻出さんの存命を否定することは心苦しい。しかし事件の記事を書く者として、希望的観測を排除し、事件を客観的に捉えなくてはならない。これに則ると本事件においては、「辻出さんは殺害された」という答えに行き着いたというわけである。

 

辻出さんの両親は失踪から20年以上たった今も、”娘の帰り”を待ち続けている。そして彼女が失踪時に残した車をそのまま残し、車内の後部座席にはうさぎのぬいぐるみを座らせている。
車を保存するその様子は、”彼女が生きていた証”を遺しているようにも映る。

保険会社の駐車場に放置されていた辻出さんの車(日産マーチ)
出典:CHUKYO TV NEWS

事実、両親は記者の質問に対して、以下のように答えている―、

「200%生きていない、どう考えても。せめて骨だけでも帰ってきてほしい」(父・泰晴さん)

「生存の可能性がない中、いろいろと想像を巡らせます。大変悔しい」(母・美千代さん)

こうした失踪事件において、その生存を信じ続ける家族は多い。辻出さんの父・泰晴さんも母・美千代さんも、事件当初はそうであったのかもしれない。しかし筆者は2人とも現実的に事件を捉えていると感じた。それはきっと長い年月が2人をそのように変えたのだろう。娘をこうした形で失った両親の思いは計り知れない。

父・泰晴さんと母・美千代さん

 

 

失踪事件の正体

【本事件はなぜ起こってしまったのか】―、
時間を巻き戻すことができない以上、”たられば”を語るのはナンセンスであるが、こうした事件を一つでも減らすために、啓蒙や注意喚起の意味で本事件を招いた要因を指摘したい。

本事件を招いたのは―、

“辻出さんの『奔放』というパーソナリティー”

このひとことに尽きる。
これを言い換えると、『危機意識の欠如』ともいえる。
そもそもの過ちは、辻出さんがXという危険な人物に近づいてしまったこと。Xの元妻の証言にもあるようにXは―、
体から薬物の匂いがしたり、まったく眠らなくても活気に満ちていたり、包丁を持って喚く、激昂して暴れるなど、これらからは違法薬物の使用が疑える。そのほか異常行動や違法行為など、明らかに素行に問題がみられる。少なくともXがサイコパスであることは間違いない。
そんな人物のXであるが、辻出さんには”紳士的な男性”として映っていたようである。それはXがそう演じていたこともあるとは思うが、必ず何らかの場面で本性は見え隠れしていたはずである。つまり、「イケメン」「金持ち」というXのステータスに、彼女自身が盲目になっていた部分が大きいと筆者は考える。

異常性を孕んだXであるが、何より特筆すべきは、その性的な部分。まず間違いないのは、Xは病的なほどのサディズム(加虐性欲)の持ち主であったこと。それに加え、性欲が非常に旺盛かつ異常性癖を持っていたことにも筆者は確信を抱いている。
とはいえ性欲が旺盛でも、変わった性癖を持っていても問題はない。人に迷惑をかけず、一定の領域を超えない範囲、自分の中だけで消化するならば―、である。犯罪を犯してしまうのは、これを逸脱した者なのだ。
Xの性癖については―、
家宅捜索の際にXの自室内で、保管された使用済みのナプキンが出てきたことから十分に窺い知れる。旺盛な性欲に関しては、妻がいる身でありながら交際女性、セックスフレンドがいたこと、辻出さんとのことをみても明らかである。
いわば、Xは性犯罪を起こす因子を備えた人物であったことは間違いない。

「危険な男」+「危機意識の欠如した女性」= 『事件』

こうした公式が成立する。本事件がまさにこれであった。その上、辻出さん自身も男性関係に奔放であったわけで、乱暴な言い方をすれば、起きるべくして起きた事件ともいえる。
実際に事件当時、辻出さんには婚約していた交際男性がいた。それにもかかわらず事件の晩、Xと行為に及んだ(しかもXには妻がいた)。人によっては、”Xとのセックス
はレイプであったのでは”と考えるかもしれない。しかし筆者は、同意の上でのそれであると確信している。それは、同僚にXの写真を見せて「かっこええやろ」と自慢していたり、難民男性Rに対する振る舞いなどからみてとれる。
さらに「男性関係が派手だった」という周囲の人の証言や、「なんで毎回、紹介する男の子が違うのか」というかつて
母・美千代さんがこぼした不満がそれを裏付ける。

(Xのサディズムに繋がるのは、Xの別件逮捕容疑となったホテトル嬢Aに対する逮捕監禁容疑―、
Aの訴えによれば、「長時間両手を縛られて自由を奪われた」ということであるが、Xにしてみればこれはひとつの”プレイ”にしか過ぎなかった。
おそらくXはAに対する逮捕監禁を日常的に行っており、それを巡る争いが多々あったものと思われる。そのため、万が一の際のために写真撮影や録音もまた日常的に行っていたのだろう。
結局、別件逮捕となるまで表沙汰とならなかったのは、XがAに金を貸していたことが関係していたに違いない)

 

そして【本事件がなぜ未解決となってしまったのか―、
第一はやはり、三重県警の「遅すぎた初動捜査」。さらに、捜査における「予算的な問題」「マンパワーの不足」。そして、自然豊かな伊勢周辺の「地理的条件」
こうした要素がXに味方したことにより、本事件は迷宮入りしてしまった。

 

 

どこか危なっかしい女性であった辻出 紀子さん。
そんな彼女の失踪に纏わる様々な説―、

「男と駆け落ちした」

「売春島(渡鹿野島)で監禁され、売春婦として働いている」

「北朝鮮に拉致された」

これらのいずれも、ネット上で流布する俗説である。ここでその理由を言及するのは割愛させていただくが、これらは事件を面白がる輩が吹聴する噂に過ぎないため、どうか信じないでほしい。

 

「家出しなければいけない理由はない。もしも家出するのだったら、あの子は正々堂々と会社を辞めていく」

「”何があっても最後は家族だ”と紀子は言っていた」

母・美千代さんの言葉だ。

 

本事件は決して家出などではなく、事件。殺人事件である。

事件は身近なところで起きる―。

 

オラクルベリー・ズボンスキ(小野 天平)

 

 

付記

筆者はXが犯人であると推察したわけであるが、これは辻出さんの両親も同様であり、未だに警察もXが”クロ”であるとみている。
誰の目からみても極めて疑わしいXという男であるが、あくまでこれは未解決事件であるために、実名を出して”コイツが犯人だ”ということはできない。そのため、本記事でもXの実名などの詳細を記すことは差し控える。しかし、ここにほんの僅かだけそれを解きたい。

本事件の犯人X =イニシャル U / 事件当時33歳

 

Xは過去に伊勢文化舎発行の「伊勢志摩」において、顔写真と実名入りで紹介されている。そのため、それを入手できればXの顔も名前も知ることができるが、かなり難しいかもしれない。
しかし国立国会図書館へ行けば、これを確認できるだろう。

 

【渡鹿野島】
:わたかのじま
三重県志摩市にある島。伊勢志摩国立公園内に位置する。
面積はおよそ0.7平方キロメートル。人口は271人。(2011年9月30日時点)

かつて「売春島」と呼ばれ、公然と売春が行われる島として長年タブー視されてきた。
1981年をピークに、1970年半ばから1990年までが最盛期にあった。この頃、人口わずか200人ほどの島であったにもかかわらず、ホテル、居酒屋、パチンコ店、ストリップ劇場、裏カジノといったように、まるで歓楽街が凝縮されたような島であった。
1989年頃からフィリピン人が、1990年半ば頃にはタイ人が流入した。

近年では「=性産業」というイメージを払拭しつつあり、健全な観光地として多くの観光者を迎えている。

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