秋田園児殺害事件 -6-

これは『秋田園児殺害事件』に関する記事の【パート6です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1】からお読みください。

秋田園児殺害事件 -1-

秋田園児殺害事件 -2-

秋田園児殺害事件 -3-

秋田園児殺害事件 -4-

秋田園児殺害事件 -5-


 

捜査

諒介ちゃんの死亡を受け、県警は事件・事故の両面で捜査を開始。事の経緯を確認するため、母親である美香に対する事情聴取を行った。

諒介ちゃんが死亡した翌朝、用水路で現場検証を行う捜査員ら (10月24日午前9時)


この事情聴取で美香は―、

・当日10月23日の17時頃、外出先から帰宅した。
・夕食の準備をしていた17時半頃、息子が突然いなくなった。

そう説明したが、警察はその説明に不審な点がみられることから美香に嫌疑をかけた。

当然である。諒介ちゃん発見時の状況を整理すると―、

まず4歳児が夕方に家から勝手に出ていくとは通常考えにくい。よしんば出たとして、薄暗い屋外をひとりで歩いていくだろうか。しかも雨が降る中で。
また諒介ちゃんが死亡していたのは自宅から約400m離れた地点であり、その歳の子どもがひとりで出歩くには長い距離。
用水路の中でうつ伏せになった状態であり、雨が降っていたにも拘らず傘はおろか雨がっぱも着ていなかった。
わずか2~3cmの水位で水死。遺体の頭部は陥没、また不自然な皮下出血。

このように、その死亡状況にはあまりにも不審な点が多かった。

 

【諒介ちゃんが放置され、遺体で発見された場所 (橋の下)】

事件の疑いを強めた警察は、当日一緒にいた畠山と合わせて美香を被疑者として扱い、捜査を進めた。
しかしそんなことは露知らず、美香は悲劇の母親を演じ続けていた。諒介ちゃんの葬式が終わった直後、精神のバランスを崩したとして入院の必要性を訴えたのだ。

このときすでに警察の監視下に置かれていた美香は、警察との協議を経て入院している。

諒介ちゃんの葬式での美香。その手には遺影が。
このような写真がマスコミに撮影されている時点で、美香が被疑者であることは漏れ伝わっていたということが分かる

そして―、
2006年11月13日、秋田県警捜査1課は殺人容疑で母親の進藤 美香と、その交際相手である畠山 博逮捕した。

逮捕当日の朝、実家に訪れた刑事に畠山の母親は驚いた。そして連行される畠山は、「自分は何もやっていない。これは何かの間違いだ。心配することはない、すぐ帰る」と言ってみせた。
「すぐに帰る」と豪語していたものの、逮捕後すぐに犯行を認めた畠山。ところがひとたび起訴されると、今度は全面否認に転じたのだった。
しかし日本において、起訴されれば有罪判決は必至。逮捕時の意気込みどおり、無罪で帰ることはもはや不可能となってしまった。

 

その後行われた裁判で畠山に下った判決は懲役16年。一方、美香には懲役14年が下され、それぞれの刑が確定した。畠山の判決が美香よりも重かったのは、ほかでもない主犯とみなされたからであった―。

逮捕時の進藤 美香

 

【考察】畠山は本当に殺したのか

果たして畠山は本当に主犯だったのであろうか。そもそも諒介ちゃんへの暴行及び放置の命令はしたのだろうか―、
この事件において、筆者と同じように畠山の有罪判決に疑問を抱く者は多い。

そこでここからは、裁判から事件以前までと遡りながら、本事件の核心に触れるべく考察していく。

 

裁判

裁判の中で美香は―、

“道の駅での車内セックスを諒介ちゃんに邪魔されたことに怒った畠山が、美香に「殴れ」と命令した”

と供述している。
そして美香が
その命令に従ってしまった理由として―、

“畠山から結婚をほのめかされており、その畠山を失いたくないその一心でと犯行に及んだ。このとき諒介ちゃんの口は畠山が押さえていた”

と述べた。
当然、美香の弁護人もこれに加勢、「自発的に暴行したわけではない。畠山に強要されやむなく及んだもの。諒介ちゃんを用水路に放置したのも畠山の命令に従うほかなかった」と主張した。
このように美香は諒介ちゃん殺害の事実は認めながらも、それはあくまで畠山に強要されたためであることを強調。一方、畠山は最後まで全面否認の姿勢を崩さなかった。

裁判が終わってみれば―、
美香は懲役14年、畠山は懲役16年。
単独犯である可能性が高い美香よりも、犯行に関わっていない可能性すらある畠山の方が罪が重いという結果となった。非常に不可解である。

ではなぜこのような結果となったのか―。


パート7】へ。

 

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