城丸君事件 -4-

これは『城丸君事件』に関する記事の【パート4です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1】からお読みください。

城丸君事件 -1-

城丸君事件 -2-

城丸君事件 -3-


 

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事件の解説

寿美雄さんの遺品整理を兼ね、焼け残った納屋の中を整理していた義兄。
そこでふと目に留まった棚の上のビニール袋に手を伸ばし、そして中を覗くと、そこには骨のようなものが入っていた。それは茶色く変色してはいるものの、素人目にみても人骨であろうことは見当がついた。
義兄は加寿子が寿美雄さんを殺したと確信していただけに、それが「人骨である=ほかにも誰か殺していた」という自身の直感に何の疑いも持たなかった。

それからすぐに義兄は納屋で見つかったそれを警察へ持ち込み、鑑定を依頼。するとこれが人骨であることが判明。さらにそこから明らかになった血液型や歯形などから、それが84年に行方不明となった秀徳くんである可能性が高いことが分かった。
このときすでに秀徳くんの失踪から4年が経っていたが、実は警察は秘密裏に加寿子をマークし続けていた。しかしこれといった証拠も出てこず、警察も手出しができない状況に置かれていた。ところがここにきて秀徳くんと思しき白骨遺体―、
これにより、行き詰っていた秀徳くん行方不明事件の捜査が再び動き出した。

秀徳くん行方不明事件の容疑者として加寿子が警察にマークされていたことを、義兄はこのとき知った。”それを知っていたなら加寿子との結婚など認めなかった”と、両親の猛反対を押し切ってまで加寿子と結婚した寿美雄さんの不遇を心底悔やんだ。

 

警察の捜査が本格化したことにより、加寿子の身辺調査が行われた。すると秀徳くん失踪時、加寿子には800万円以上の借金があったことが判明。
そして秀徳くんであるが、その父親の隆さんは会社社長。そのため隆さん宅は周辺住民の間でも”御殿”として有名な豪邸であった。こうしたことから、金持ちの子どもを身代金目的で誘拐するという構図が浮かんできたのだった。

こうして考えられる犯行動機、そして白骨遺体となった秀徳くん。
これらから筆者は―、

金に困った加寿子が秀徳くんを誘い出し誘拐。ところが思いのほか、警察が自分へ辿り着くのが早かったことで身代金要求を断念せざるを得なかった。その結果、殺害。

そう考える。

 

そしてさらに捜査が進むと、秀徳くんが行方不明となった1月10日の夕方、加寿子が大きな段ボール箱を運び出していたことが明らかになった。
この段ボールの行き先はまず、加寿子の親戚宅へ。それから寿美雄さん宅へ運ばれ、その敷地内で段ボールごと燃やされている。このとき鼻をつくような異臭が周辺に漂っており、そのことは周辺住民らが確かに記憶していた。
しかも加寿子はこの段ボールを運び出した日の3週間後に引っ越している。(二楽荘から退去している)

ここまでの材料が出揃うと、警察はいよいよ加寿子を拘束。そして事情聴取した。
ところが加寿子は終始黙秘を貫き、寿美雄さんの死に関してはおろか、秀徳くん失踪についても一切口を開くことはしなかった。
加寿子の完全黙秘もさることながら、当時の技術では見つかった人骨が秀徳くんであると証明することができなかったために、証拠不十分として加寿子を解放するほかになかった。
犯人であることが間違いない人物を前にして、それを解き放つしかなかった警察はこのとき、無念の撤退を余儀なくされたのだった。

 

加寿子はその後、3度目の結婚。そしてすぐに離婚している。


パート5】へ。

 

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