スウェーデン人女性ジャーナリストバラバラ殺人事件 -1-

 

“「陸空海」で完全犯罪をする。まずは海だ”

 

本事件犯人の男がかつて語った言葉であると、同僚であった航海士スティーン・ローク氏が証言する。
趣味の悪い冗談―、夢想―、

しかし、男にとってそれは、”現実”として成し得ることであった。

 

『スウェーデン人女性ジャーナリストバラバラ殺人事件』の概要

2017年8月10日―、
事件の舞台となったのは北欧デンマーク。

ひとりのスウェーデン人女性ジャーナリストが発明家の男を取材するため、隣国デンマークへと赴いた。
そして取材のために、男の制作した潜水艦へに単身乗り込み、そのまま帰らぬ人となった。殺人死体損壊・遺棄事件である。

 

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本事件犯人 ピーター・マドセン

ピーター・マドセン


事件当時46歳。『ピーター・マッセン』と表記される場合もある。
広義の肩書は「発明家」とされているが、本来は航空宇宙工学の専門家であり、デンマークの民間宇宙団体「コペンハーゲン・サブオービタルズ」の設立者。

近年ではロケット開発に注力しており、実際にマドセンが開発した宇宙船が2011年6月に発射された。

マドセンの開発したロケット
「ティコ・ブラーエ」

これまで有人宇宙飛行を行ったのは―、アメリカ、ソ連(現・ロシア)、中国。
もしもマドセンの作ったロケットが成功すれば、デンマークは中国に次ぐ世界で4番目となる。それもさることながら、政府の力を借りない民間での有人宇宙飛行を成功させた史上初の人物として、その歴史に名を遺すほどの快挙となる予定であった。
しかし、発射されたマドセンのロケットは高度3.6kmに留まり、それは叶わなかった。
(宇宙空間は地上100kmから)

 

宇宙開発において、大きな可能性を示したマドセン―、
しかし宇宙船だけに留まらず潜水艦を設計するなど、マドセンは多くの発明を行ってきた。

そして2008年―、
マドセンが設計した全長約17メートルにも及ぶ潜水艦「ノーティラス号」、これが自作された潜水艦としては史上最大(2008年時点)となったことで、マドセンは一躍有名となった。
これによりマドセンは各国からの取材を受けたり、テレビ番組に出演するなど、デンマークを代表する発明家として世界に認知されることとなった。

ノーティラス号に乗るマドセン(2008年)

ベンチャーの雄として、”天才”との呼び声も高かったマドセンであったが、その後に自身が起こしたある事件ですべてがひっくり返る。

 

2017年8月—、
ノーティラス号を取材に訪れた女性ジャーナリストが行方不明となり、その後胴体だけが発見される。

これが近代の北欧で起きた凄惨な事件、『スウェーデン人女性ジャーナリストバラバラ殺人事件』である。

 

本事件被害者 キム・ウォール

キム・ウォール


事件当時30歳。スウェーデンのフリージャーナリスト。

多くのノーベル賞受賞者や各国首相、大統領などを輩出している名門「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE)」と、コロンビア大学ジャーナリズムスクールを卒業。

卒業後は―、
地震による甚大な被害を受けたハイチ、内戦の傷痕が生々しく遺るスリランカ、ウガンダやキューバ、そして北朝鮮に潜入するなど、精力的に
世界各地を取材。
自国スウェーデンのみならず、英紙「ガーディアン」や米紙「ニューヨーク・タイムズ」、「フォーリン・ポリシー」、「ハーパーズ・マガジン」といった新聞・雑誌などに寄稿、受賞歴もあった。
このように、ウォールさんは第一線で活躍する若き女性ジャーナリストであった。
(マドセンの取材記事は、ウォールさんがどのメディアで執筆・掲載する予定であったのかは不明)

 

そして奇しくも、ジャーナリストとして天性ともいえる彼女の強い冒険心は、天才発明家(快楽殺人者)ピーター・マドセンによってくすぐられたのであった。


事件の詳しい解説は【パート2】にて。

 

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